会社の業績や社員のモチベーションに大きな影響をあたえる報告・連絡・相談(以下、報連相)ですが、なかなか社内の報連相レベルを上げるのは難しいようです。報連相の重要性とその向上にむけての会社の取り組み方をまとめました。
■報連相の重要性
報連相の重要性は大きく三つあります。
(1)報連相により経営判断がされる
会社は適切な報連相がされることによって成り立っています。特に上司は、部下からの報告があって初めて仕事を進めることができます。また、経営層も現場からの率直な報告を経営に反映させています。報連相とは、組織にとって血液のようなもので、血の巡りが良くて初めて健康が保たれるのです。
(2)報連相が仕事の成果へ影響
仕事では、自分ひとりで実現出来るものは存在せず、多くの人からの協力があって初めて可能となります。そのため報連相の上手下手が、仕事の成果に大きな影響を与えます。いくら専門的な技術がある人でも、報連相ができなければ会社では使い物にはなりません。
(3)社員のやる気
社員のやる気に影響する要因は、給与や仕事内容など色々なものがありますが、一番は人間関係です。上司や同僚そして顧客との間で期待される報連相がされて初めてよい人間関係(信頼)が作られます。そして、その報連相が、仕事の成果につながり、周囲からの信頼につながりと益々その社員のやる気は高まります。
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報連相への間違った認識
まさに組織活性化や会社の生産性をたかめる鍵は報連相にあるといえます。そして、職場のストレスの多くはこの報連相に関するものです。「あいつは、ちっとも報告がない」「いまどういう状況か、このメールからでは…」でも、少し考えてみてください。本人はその報連相をやりたくなくてそうしているのでしょうか。本当のところは「できない」のです。本人は、何をどう報告すればいいのか、解っていない、つまり能力的に「できない」のです。 |
会社組織には多くの利害関係者(上司・部下・顧客など)がおり、我々は、生まれてこのかた、社会に出るまでこれほど複雑な関係を持つことはありません。そして、はじめて報連相を求められるのです。「報連相は常識だ、わざわざ教える必要はない」という考えもあります。しかし、実際には、この報連相が自然に上達することはありません。
報連相は「重要なもの」、「難しいもの」、「学びとるもの」、「やらない」でなく「できない」という認識を会社は(社員本人も)持つ必要があります。そして、報連相について会社として向上すべき取組みが必要になります。
■社内の報連相向上のアプローチ
(1)報連相の基本(法則)をみんなで学ぶ
ここでは詳しくは述べませんが報連相にも基本(法則)があります。研修や書籍により報連相の目的やスキルについて体系的に学び、社内が共通の知識と認識を持ちます。
(2)ケーススタディで反復練習をする
知識を得た後は、ケース(事例)をつかってディスカッションを行い学びます。報連相は「数学」の学び方とよく似ています。法則を学んだら練習問題で応用性を身につけます。
(3)日常の業務内での指導
上司は普段の業務のなかで報連相の改善点などを指導します。出張時の帰社、クレーム対応など。最初はその都度、何が良くて何が悪いかを明確にし期待も伝えます。「この連絡はありがたい。こういうことも報告してくれると助かるよ。」という具合に。
■報連相は「やらない」のでなく「できない」
繰返しになりますが、報連相は「重要」「難しい」「できない」のです。ですから報連相には「勉強」「訓練」「現場指導」が必要です。
報連相の出来ている会社では、報連相の出来る上司が「出来ない部下」に普段から報連相を教えています。一方、報連相の出来ていない会社では、報連相の出来ない上司が「やらない部下」に報連相を強要します。報連相は能力でありスキルであるという認識を持ち指導することが必要です。
〔(株)ワイズサービス・コンサルティング矢田祐二〕 |