矢田レポート

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No.018 教育制度の意義 '06'04'24

■目的は大きく2つ

教育制度の目的は大きくは2つあります。
 1、体系的な能力の習得
 2、これから必要となる能力を示す 
リーダーシップとマネジメントという能力と組織内のポジションとの関係から教育制度の意義を考えていきます。
●リーダーシップ:
先導的指導能力=長期的 戦略 リスクに挑戦  改革  ヒートアップ  変化志向
●マネジメント :
業務管理能力 =短期的 戦術 リスクを回避  改善  クールダウン  秩序維持

■A君の例

新卒で製造業に入社した真面目がとりえのA君。
入社したてのころは、トレーニング(訓練)が主でしたが、2年目には工程の管理や在庫の確認、受発注の管理などのマネジメントに関する仕事を徐々に任せられるようになりました。
そして4年目に、念願の新入社員が入ってきて初の部下を持つことになりました。このときから、新入社員の訓練や仕事を管理するマネジメント以外に、部下の指導や権限の委譲、そしてやる気というリーダーシップに関する仕事が発生してきました。
 そんな彼も、誠実な仕事ぶりが評価され10年がたったときに課の長に任命されました。このポジションでは、計画や効率を管理するというマネジメント以外に、会社方針をもとに自分の課の方針を創るという仕事や人を動かすというリーダーシップの能力が求められるようになってきました。
そして、四十台半ばにして、念願の役員に就任。このポジションでは、『ビジョンを示し、組織を先導変革し、部下を巻き込み鼓舞する』というリーダーシップに関するものが大半をしめていました。

■ 求められる能力の変化

このように組織では、ポジションが上がるとともに、役割も徐々にマネジメントからリーダーシップに関するもとにと変化していきます。 当然社員には、その変化に合わせた能力の習得が求められることになります。また、会社としてもこの変化に合わせて教育をしていく必要が出てきます。
そのため、多くの会社では、管理者研修やリーダーシップ研修というものを教育の中に取り入れています。このような研修は、「ポジションにより求められる能力をつけること」が一つの目的ですが、それ以上に大切な目的があります。


それは、以下のことを社員に明確に伝えることです。
 『これからあなたが上がっていくポジションには、リーダーシップという新たな能力が必要となります。いままでのマネジメントという能力だけでは、通用しません。きちんと勉強してくださいね。』
 ・・・しかし、現実にはこの意味合いは忘れ去られ、明確に伝えられることもなく、本人は今までに習得したマネジメントの能力により仕事や部下を管理しようとします、役割が変わっていても。

■必要となる能力を宣告する

教育制度の目的のひとつ、「1、体系的能力の習得」は社員として、最低限必要である知識または技術を教育するものです。社員にとっては受動的な面があります。
2の「これから必要となる能力を示す」とは、社員にこれからのポジションに必要となる能力を明確に示し、そのための勉強や準備をしておきなさいと宣告することを意味します。
社員はより自発的な行動を求められることになります。

■自分をコントロールし成長

社内でのポジションを順調に上げたA君、幸いにもこの会社には、この「次に必要となる能力を示す」ことを踏まえた教育制度がありました。
A君は、入社半年のフォローアップ研修の際には、マネジメントとリーダーシップの明確な定義と各ポジションに求められる能力を成文化した書類により教育を受けました。
 これにより、A君は、自分に部下がつく日を夢見ながら、そのための能力をつけるために、リーダーシップに関する本を読み、自分の上司の行動を観察し日々仮想を繰り返しながら成長していくことができました。 その後もこのような宣告は研修のたびに、そして、ポジションが上がるたびに繰り返されました。
そのために、マネジメントに偏り気味と自覚するA君も、学習するポイントを外すことなく、効率と計画性、そして確信を持ちながら自分をコントロールし成長することができました。


ポジションが上がるほど、物や仕事の効率性というマネジメントの能力から、人や組織をいかに効果的に動かすかというリーダーシップの能力に求められるものは変わります。教育制度の大きな意義は、この変化をいかにスムーズに行うかというところにあります。


〔ワイズサービス 代表 矢田 祐二〕

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