矢田レポート

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No.014 企業25年寿命説 '05'07'08

組織は、いろいろな個性を持った人材がいると活性化します。それに対し、『同質化』と呼ばれる、似たような個性の人材ばかりの状態だと、新しい視点や意見、組織内の摩擦は生まれにくく、活性化はしません。
この『同質化』は、「組織のギクシャク感」「役人化」「無難なことばかりする」といった大企業病や元気のない組織を産み出してしまう大きな原因となります。


日本人の拡散型人材(行動力・創造性を得意とする)と保全型人材(協調性・持久性を得意とする)の構成比は、拡散型:保全型=35%:65% となっています。この値は、ここ数年の遺伝子学の研究からも証明されています。
この拡散型と保全型の構成比という視点で企業を診ると、日本人平均と同じということは当然なく、それぞれの企業特有のものがあり、その組織の風土を作り出しています。
たとえば、ベンチャー企業では、この構成比は、拡散型人材の割合が高い傾向にあります。
ベンチャー企業の創業者の多くが、拡散型の人材であり、その人材の個性や考え方、ビジネスモデルに惹かれ集まる人材には、同質型である拡散型の人材が多くいます。
それに対し、「社歴50年、福利厚生の整った安定した製造業」というような企業では、保全型の人材が多い傾向があります。これは、この価値観に保全型の人材は惹かれ、拡散型の人材は、そこに魅力を感じないためです。
このような企業のイメージや人事施策により人材構成比、すなわち、同質化は起きてきます。


人材の構成比と組織の目的が合致すれば、問題はありません。「量産型の製造業」を戦略とする企業なら、保全型の人材構成や風土が必要となります。「飛び込み型営業」を戦略とするのなら大部分を拡散型の人材が占めるのは悪くないでしょう。

問題となるのは、この構成比、すなわち、バランスが行き過ぎてしまうことです。
「量産型の製造業」でも、全員が保全型でいいわけではありません。そこにも、閃きや創造力や行動力は必要でしょう。「飛び込み型営業」企業でも、全員が拡散型人材で注文はどんどん取ってくるが、事務処理や回収業務などができていなければ、それ以上の発展はありえません。
保全型と拡散型の人材は、相互依存にあるといえます。拡散型の人材は、保全型の人材がいて初めて「冒険」ができます。保全型の人材は、拡散型の人材がいて初めて「安定」を追及することができるのです。
このバランスが、組織には何よりも大切です。


よくビジネスでは、「破壊と再生を繰り返す」という言い方をします。これは、ビジネスモデルや商品などの全ての事柄に当てはまると言えます。
破壊と再生という一見相反するポテンシャルを組織内に持つことは、組織内の絶え間ない摩擦と混乱を生み、組織に自浄能力と環境に適応する能力の源泉となってくれます。
破壊のポテンシャルとは、拡散型人材の役割のことです。再生のポテンシャルとは、保全型人材の役割のことです。この構成比を適性に保つことにより、組織は、内にも外にも強くなることができます。


同質化は、組織の老化のようなもので、意識しないとその進行は確実に進み、いろいろな病気の原因となります。そして、病気が進み組織内部の自浄作用が働かなくなったとき、昨今に見られる企業不祥事の温床に組織がなってしまいます。
同質化が作り上げる状況や結果が、企業25年寿命説と言われる所以です。


〔ワイズサービス 代表 矢田 祐二〕

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